株式会社黒姫和漢薬研究所

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えんめい茶とは

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えんめい茶アーカイブス
創刊号 1990年

「生きる」

大海の針、妙高の糸

人は生まれ、だんだん育って、その年齢なりの苦悩を抱きながら生きつづけ、そのうちに老い、病み、最後は死を迎えます。このように、生まれた時からすでに、死の方角に向って進みつづけることは、誰人も逃れることのできない、生から死への一方通行であり、後戻りして、同じ道を再びくり返し歩むことは、許されない厳粛なものであります。一度失えば、命は二度と手に入れることのできない、誠に貴重なものであります。

さて、宇宙には命を持ち、息づき生きている生物は、小はアメーバから最高級の人間に至るまで、その数は無量無数にありますが、その生物の中で、昆虫、蛙、蛇、牛、馬に生まれることなく、人間の生を受けましたことは、何億分の一、否、何兆億万分の一の希少な因縁によって、生まれさせて頂いたものであります。このことを釈尊は、「大海の針、妙高の糸」の喩えで論しておられます。大平洋の大海の底に沈んでいる一本の針を、拾い上げる程の難しさであり、ヒマラヤ山頂から糸を垂れて、麓の針の穴にその糸を通す程の希れなことであると、人間の生を受けることの難しさを、強く私達に訴えておられます。

その得難い、有り難い人の生命は、前述の通り、誰人といえども、時々刻々と哀滅の方向にひたすら進みつづけております。池塘春草の夢(注1)が、いまだ覚めやらぬ内に、階前の梧葉すでに秋声の時(注2)を、迎えなければならならいことを思いますと、誠に生命の1分1秒が、宝石のように尊いものであることを、知らしめられるのであります。

人の命は短かく、しかも人生は貴重なものであることを自覚し、この短い命を一層、価値あるものに変え、生まれ甲斐のある生き方に、自分自身が改まることが何よりも大切なことと思います。

極限の行に挑む

比叡山には、千日回峰行者の、9日間の断食、断水、断眠、不臥の堂入りの行や、12年篭山修行に入るための、好相発得(こうそうほっとく)の行など、池塘春草の夢をかなぐり捨てて、命の限界まで自分を追いつめて、命の見直しを体証しつつ、真実に生きることの、ありようを求める行を修する人が、今も居られます。

堂入りの行とは、9日間、一堂に篭り切って、一粒の穀物も、一滴の水も口に入れず、一睡の眠りもせず、一瞬の間といえども体を横にして休息することなく、時に常行、時に常座の行をしつづけて、遂には後半には、頬は骸骨のようにこけ、吐く息も死息を感じさせる、生死スレスレの状況に、身心を投げ込む、千日回峰行者が700日目に行う必死とも云うべき行でありまして、数年に1回位の割り合いで、今も行われています。

好相行とは、比叡山の奥の院であります伝教大師の御廟に、12年間篭り、毎日、伝教大師が生きておられるが如く、お給仕する大切な役目に、就く資格があるかどうかを、定める行のことであります。この行には期日はなく、好相を発得するまでは、来る日も来る日も、一日中休みなく、三千仏の名号を、一仏ずつ唱えながら、五体投地(注3)の礼拝をしつつ、献香、献華して、仏前は我が身を投げ出すことをくり返す行であります。この行中に、仏のお姿が、感見するまで(これを好相発得といいます)50日かかろうと、100日かかろうと、称名、五体投地の行をしつづけなければならない苛酷な行であります。何十日間、一日中休みなく、称名、五体投地をしている間に、体は日に日に消耗、衰弱し、遂には意識朦朧となって、自分が今何をしているのか、今何処に居るのかわからぬという、これまた、命の限界に達して始めて、仏が堂内に幻の如く現前し、仏の感見することができるのであります。この時こそ、旧で身心が捨て去られ、新しい清浄な体に生れ変らんとする時であり、新しい命に蘇る時であります。この日を境にして、それから12年間、一歩も山から出ずに、大師にお給仕する日々を送られるのであります。  堂入りの行と云い、、この好相行と云い、若い身空の青年僧が、誰に強いられることもなく、自ら進んで、生死の接点に突き進み、命の根源に触れようとする、凛冽たる体証であります。これこそ「百尺竿頭一歩を進める(注4)」とか「身を捨ててこそ浮ぶ瀬もあり」の真剣なる実証であります。

このような行は、勿論誰にでもできるものではありませんが、この人達の、死して蘇って、その後は清冽な命に生きている姿を、見たり、聞いたしますと、行には何の因縁もない私達にも、不死身の体に盛られた強烈な生きざまを、知らしめられる思いがし、お互いがこの世を生きて行く上での痛烈な清涼剤になるのではないかと、感じ入るのであります。(以上)

(注1) 池塘春草(ちとうしゅんそう)の夢・・・少年時代の夢多い楽しみ、また、青春のはなない夢。
(注2) 階前(かいぜん)の梧葉(ごよう)すでに秋声(しゅうせい)の時・・・時節の早く過ぎ去ること。
(注3) 五体投地(ごたいとうち)・・・両膝、両肘、頭を地につけて人の足下を拝すること。
(注4) 百尺竿頭一歩(ひゃくしゃくかんとう)を進める・・・すでに、工夫をこらした上に更に工夫を加えて向上すること。

◎本紙の題字は善光寺大勧進住職池山一切圓(さいえん)大僧上にお願いし、ご揮毫いただきました。なお、来春(平成3年)4月7日から5月26日までの50日間にわたって7年に一度の盛儀「善光寺御開帳」が行われます。

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